スミ入れをキレイに行うテクニック

ガンプラ製作テクニック

※2022年7月最新の情報に変更しました

 

ご訪問ありがとうございます
Tanizouです

今回はヤフオクでガンプラを売るための製作テクニックとして「スミ入れのやり方」をお伝えしたいと思います。

スミ入れとは、設定上のパーツ分割線等に施されているモールド(=溝)に黒・グレーなどの塗料を塗ることで、その陰影をはっきりさせ、よりリアルでスケール感のある仕上げにすることです。

こちらが、スミ入れ前とスミ入れ後の比較になります。

スミ入れをキレイに行うテクニック

画像を見ていただければ、その違いが一目瞭然であることがご理解いただけるかと思います。
※違いをはっきりさせるために濃色で墨入れしています

しかし、ただ闇雲に線を描けばいいわけではありません。きれいに墨入れを行うためには、それなりの道具とテクニックが必要になります
本日は、スミ入れを行うために必要な道具と、スミ入れの具体的な方法に分けてお伝えしたいと思います

 

スミ入れをキレイに行うテクニック

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スミ入れに必要な道具

スミ入れをキレイに行うテクニック

スミ入れを行うた目に必要な道具を紹介します。
塗料によって必要な道具が変わりますので、塗料ごとに必要な道具をまとめてみました

 

マーカーを使う場合

マーカー、つまりペンです。
ペンタイプで線を書くように墨入れすることができます
ペンタイプの墨入れに必要な道具はこちらです

ガンダムマーカー

最も初心者向きのスミ入れ塗料がガンダムマーカーです。
サインペンのと同じ形状の「ペンタイプ」、薄めの塗料を溝に流し込む「流し込みタイプ」、筆ペンのような「筆タイプ」があります。
Tanizouは、メインで流し込みタイプを使用していました。毛細管現象によりスミ入れ作業が楽だからです。
注意点ですが、最後にトップコートを吹きかける際、マーカーの塗料が溶け、滲んでしまうことがあります。トップコートの吹付け量に左右されますので、お気をつけください。

コピックモデラー

基本はガンダムマーカーのペンタイプと同じですが、ペン先が0.02mmと極細です(ガンダムマーカーは0.05mm)
ガンダムマーカーと比較し、販売店舗が限られており、入手のしくさが難点です。

2022年7月現在、ホント手に入りにくくなったので、代替品として利用しているペンをご紹介します

マルチライナーは、ペン先0.03mmと、コピックモデラーと比較しちょいと太めですが、正直肉眼ではわかりません。
黒のほか、ウォームグレイ/クールグレイ/セピア/ピンク等色が豊富なのも特徴です
コピックモデラーの代替品として最適です

メラミンスポンジ

はみ出た塗料の拭き取りに使用します。ふき取るというよりも、削り取ることで、はみ出した塗料を処理します。百均のものでも構いませんがすぐボロボロになってしまうので注意が必要です。また力の入れ具合や、こする方向によっては、モールド内の塗料まで拭き取ってしまうので注意が必要です

 

タミヤのスミ入れ塗料を使う場合

墨入れ用に濃度が調整されたエナメル塗料です
つまり、エナメル塗料と溶剤があれば、ご自身で好きな色を作れちゃいます
ただし、その濃度調整は、ちょっと経験がいるので、初心者はこの墨入れ塗料を買うほうが間違いないかと思います。

タミヤ製スミ入れ塗料

黒・グレー・茶の3色展開でしたが、2022年現在、数多くの色が展開されています。
後述しますが、使用方法を間違えるとパーツの破損に繋がりますので注意が必要です。
ガンダムマーカーの流し込み用途同じく、毛細管現象を利用したスミ入れ塗料です。蓋の裏に小さな筆がついていますので、それを利用してスミ入れを行います。
最近のTanizouは、専らこちらを使っています。その理由は、

①費用が安いこと 
②毛細管現象による塗料の広がりがよいこと 
③拭き取り作業が楽(拭き取られすぎない)なこと 
④トップコートを厚く吹き付けても塗料に滲み出さないこと

です

エナメル塗料用溶剤

はみ出した塗料をの拭き取りに使用します。エナメル系の塗料を拭き取るには、エナメル系の溶剤が必要です。
ジッポオイルでも代用可能だということですが、Tanizouは試したことがありません。
ちなみに前述したメラミンスポンジでもはみ出しを拭き取ることは可能ですが、かなり根気よく擦る必要があります。

綿棒

エナメル系のスミ入れの拭き取りは、「エナメル溶剤を含ませた綿棒で拭き取る」ことになります。
ベビー用の細いものが使いやすいですが、各模型用品メーカーから模型専用の綿棒が売ってたります

 

その他必要な道具

ここまでは、塗料とはみ出しを拭き取る道具をご紹介しましたが、きれいなスミ入れを行うためには、「モールドの彫り直し」が必要になる場合があります。私が彫り直しに使用している道具はこちらです

ラインチゼル

プラスチックに細い溝(モールド)を掘るための専用道具です。エッジが効いたきれいなモールドを掘ることができます。替刃が比較的安く購入しやすいのも特徴です。
専用の「柄」がありますが、100均で売っている2.0mmのシャーペンで代用することもできます。
0.1mmからサイズがありますが、私が彫り直しに多用しているサイズは、0.1mmと0.15mmです。

けがき針

利用目的はラインチゼルと全く同じです。硬質なニードルでプラスチック表面に傷をつけていきます。ラインチゼルに比べ取扱がしやすいのですが、できたモールドは少し荒れた状態になります。

ラインチゼルとけがき針は、用途によって使い分けています。詳しくはこちらの記事を御覧ください

 

 

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スミ入れを行うべき場所

スミ入れを行う「べき」と書きましたが、正直正解はありません。
「本来は別パーツだよな」と感じたところにスミ入れを行いましょう。ただしスミ入れをやりすぎると”くどく”なりますので注意が必要です。
ここでは、Tanizouがスミ入れを行っている場所について説明いたします

既存モールド

スミ入れをキレイに行うテクニック

写真のように成形段階ですでにモールド(溝)が彫られている場所にスミ入れを行います。設定上「別パーツ」の境界線なので積極的にスミ入れを行いましょう

 

マイナスエッジ

スミ入れをキレイに行うテクニック

このマイナスエッジという言葉が正しいのか…という点はおいておいて、写真の矢印部分ようなパーツの隅にもスミ入れを行います。
本来は別パーツのはずなので陰影がつくだろうという考え方です

これら以外にも、「影が付きそう」と感じた部分にはスミ入れを行っています。例えばダクトフィンの奥などです
前述しましたが、これが正解ではありません。皆さんの感性に合わせてスミ入れを行ってください

 

スミ入れをキレイに行うテクニック
スミ入れをキレイに行うテクニック

成型色にあわせた、スミ入れ塗料の色

今回ご紹介したスミ入れ塗料は、黒・グレー・茶  を基本として、その濃淡で多くの色が展開されています
更に、エナメル塗料を希釈して使えば、その色数は無限大です。
では、どんなときに何色のスミ入れを行えばいいのでしょうか?
これまた正解はありません。一般的によく言われる内容をまとめましたので、ご参照ください

基本は同色相の低明度

「影」を頭に思い浮かべたとき、黒とかグレーの色を想像しませんか?あながち間違っていないのですが、本来は同じ色(同色相)の暗い色(低明度)が影の色なのです。ですので青いパーツの影は「暗い青」になりますし、赤いパーツは「暗い赤」になります。
ですので、プロモデラーの方などは、パーツの色に合わせてスミ入れ塗料を調色してたりします。

ちなみにTanizouはやったことありません

 

黒・グレー・茶の使い分け

市販されているスミ入れ塗料の三色の使い分けですが、

「暗いパーツは黒、明るいパーツはグレー、赤や黄・オレンジなどの暖色系は茶」

を使用するパターンが一般的みたいです。でも、これは好みの問題もありますので「正解」というわけではありません
Tanizouはモールドがはっきりしている方が好みなので、黒かグレーしか使いません。グレーも多少暗くなるように黒で調色しています。
で、「暗いパーツは黒、赤いパーツも黒、明るいパーツはグレー、その他の色は場合に合わせて」といった感じで使い分けています。

 

スミ入れをきれいに行うコツ

ここからが本題になります。実際にスミ入れのやり方を説明します。
今回ご説明するスミ入れの方法は、「流し込み」を念頭に説明します。ペンタイプでのスミ入れは、流し込みと同じ方法でできますので割愛します。

スミ入れをキレイに行うテクニック

このフロー図は、私がスミ入れする際に、何をどう判断しているのかをまとめたものです。
途中のひし形のエリアは、「判断」を表しています。
「モールドの状態」の判断ですが、そのモールの輪郭がはっきりしているのか?、ぼやけて見えるのか?が判断基準になっています。
わかりにくい場合は、実際に流し込み用の塗料を使用して、その塗料の広がり具合で判断します。すーっと塗料が広がればOK、そうでなければ甘いと判断します

まずは、「はっきりとした既存モールドに対するスミ入れ」から説明したいと思います。

 

ガンダムマーカーを使った既存モールドへのスミ入れ

ガンダムマーカーの流し込みタイプを用意します。初めて使う場合や、塗料の出が悪い場合などは、ペン先を押し込んで塗料をペン先に染み込ませてください。
そして、ペン先をモールドに当てます。強く押し込んだりする必要はありません。するとモールドに合わせて塗料がすーっと流れるはずです。それを繰り返して、必要なモールドへスミ入れを行ってください

スミ入れをキレイに行うテクニック

画像のように、ガンダムマーカーを当てた部分にはみ出しが発生します。このはみ出しをメラミンスポンジを使用し拭き取っていきます。
5〜10分ほど待つと塗料が乾きますので、それまで他のパーツのスミ入れを行っておきましょう。

塗料が乾いたら、拭き取り作業です。

スミ入れをキレイに行うテクニック

このときのスポンジの動かし方の注意点ですが、写真のように、モールドのラインに対しクロスするような動かし方で拭き取ってください。
モールドと並行するような動かし方だと、モールド内の塗料まで抜き取ってしまう可能性があります。

スミ入れをキレイに行うテクニック

スミ入れが完成しました。スミ入れ前と比べると格段に情報量に差が出ています。

 

スミ入れ塗料を使った既存モールドへのスミ入れ

基本的にガンダムマーカーとやることは同じです。
スミ入れを行う前に、スミ入れ塗料をよく振って撹拌しておきましょう。

スミ入れをキレイに行うテクニック

ガンダムマーカーと同じく、モールドに筆先を当てます。ガンダムマーカーより伸びが良いので、当てる回数は少なくて済むはずです。

スミ入れをキレイに行うテクニック

続いて拭き取りです。綿棒に溶剤を染み込ませます。Tanizouはめんどくさがりなので、直接溶剤の容器に綿棒を突っ込みます。
綿棒に溶剤が染み込んだら、ティッシュなどで余分な溶剤を拭き取りましょう。

そして、はみ出た塗料を綿棒で拭き取るわけですが、力を入れなくても簡単に拭き取れます。綿棒の動かす方向はあまり気にしなくても大丈夫です。スミ入れ塗料の塗膜は、ガンダムマーカーのそれよりはるかに強いからです。

ちなみに、スミ入れ塗料は5〜10分ほどで拭き取り可能なレベルに乾きます。これを1日以上乾燥させてしまうと、非常に拭き取りにくくなりますので注意してください。

スミ入れをキレイに行うテクニック

スミ入れが完成しました。完成後の状態はガンダムマーカーと大差ありませんが、作業の速さでスミ入れ塗料に軍配が上がります。

 

モールドの彫り直しを伴うスミ入れ

パーツのマイナスエッジだったり、モールドのエッジが緩かったり、そもそもモールドの深さが浅かったりで、スミ入れがうまくいかない場合があります。
このときの「スミ入れがうまくいかない」という状態は

①毛細管現象が発生しない
②拭き取りの際、拭き取りすぎてしまう

を指します。
こんな時の対処法が、モールドの彫り直しです。今回は、マイナスエッジに対しての彫り直しを例にご説明いたします

スミ入れをキレイに行うテクニック

マイナスエッジの隅をよく見ると、きれいな鋭角ではなく、小さな曲面になっていくることがわかると思います
これでは、拭き取りの際、必要な部分まで拭ってしまう危険性が高まります。
ですので、下記の図のように、マイナスエッジの隅に溝を彫り、そこに塗料を流し込むことで、きれいなスミ入れになるわけです。

スミ入れをキレイに行うテクニック

 

では、実際に彫り直しをしてみます。
使う道具はラインチゼルです
マイナスエッジの隅に刃を当てて、力を抜きながら数度に分けて溝を掘っていきます。
力を込めて溝を彫ると、ラインがぶれたり、はみ出したりする可能性があります。掘ってしまった溝のリカバリーは非常に難しくなります。必ず、力を抜いて掘るようにしましょう

スミ入れをキレイに行うテクニック

彫り直しが完了しました。わかりやすいようにちょっと太めに掘ってみました。
マイナスエッジ部分に溝が掘られて影ができているかと思います。この状態になれば、きれいにスミ入れができるはずです。

スミ入れをキレイに行うテクニック

その後のスミ入れの仕方は、前述した方法と同じです。
上の画像は、溝を掘っていない部分にも同様にスミ入れを行い、1〜2回ほど綿棒で擦った後の画像です。溝を掘った部分にしっかり塗料が残っている一方で、彫り直しを行っていない部分は、ほとんど塗料が消えてしまっているがわかります

 

スミ入れで絶対注意してほしいこと

一見簡単に見えるスミ入れですが、実はパーツ破損の危険性をはらんでいます。
破損したパーツはこんな感じになります。

スミ入れをキレイに行うテクニック

粉々に砕けるんです。軽度でもヒビが入ります。こうなってくるとリカバリーできなくなり、パーツ請求の呻き似合います
以下の2点は必ず注意してください

①ABS素材に、ガンダムマーカー、スミ入れ塗料は使わない

ABS素材に、アルコール性のガンダムマーカーや、エナメル性のスミ入れ塗料を使用すると、高い確率でパーツが「砕けます」
先程お見せしたパーツは、ABS素材のパーツにスミ入れ塗料を塗りつけた結果です。

パーツの内部に塗料が染み込んで、破損の原因になるらしいのですが、詳しいことは理解できていません。
逆に言うと、染み込まさなければABSにもスミ入れができるということです。つまり、塗装や光沢のトップコートを吹き付けてからの墨入れです。こうすればABSに直接スミ入れ塗料が付着しないので、破損のリスクが低減できます(ゼロではありません)
無塗装の場合は、水性のマーカーを使うか、濃い鉛筆などでスミ入れを行いましょう。

 

②テンションが掛かっている状態で墨入れしない

特に、スミ入れ塗料でスミ入れを行う際に注意してほしい点です。
組み立て後にスミ入れを行うと、スナップフィットの部分など、強い力がかかっている部分を起点にヒビが入る場合があります。
これはPS素材のパーツでも普通に発生するトラブルです。
ですので、Tanizouは、パーツの切り出し直後にスミ入れを行うようにしています。組み立て後にスミ入れが必要な場合は、ガンダムマーカーを使用するようにしています。

 

本日は以上になります
多少の注意点にさえ気をつければ、技術的なハードルも低くく、少ない投資で高い効果を得られるテクニックが、今回紹介したスミ入れです。
まずは、身近にある細いネームペンで初めて見ても構いません。ぜひぜひチャレンジしてみてください

長文お読みいただき、ありがとうございました

 

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スミ入れをキレイに行うテクニック

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